「カウンセリング・心理療法を受けるということ」①

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カウンセリングや心理療法を受けるということについて、

「自分はカウンセリングを受けるような状態なのか・・・」とか、「カウンセリングを受けるなんて」など、否定的なイメージを聞くこともあります。また、カウンセリングを受ける本人は前向きな気持ちであっても、周りからそのように言われるという話も耳にします。

そんなとき、「今の若い人たちは、インターネットで情報を収集したりしていて、カウンセリングを受けることに対して、それほどネガティブなイメージを持っていなかったりするんですよ」などと話すと、少しびっくりされたり、世代によって感覚に差があることに気付く方もいらっしゃいます。

   

あらためて、私がカウンセリングを始めてからの20年間を思い返してみると、

60代以上の方にとって、カウンセリングや心理療法は、言葉として聞いたことがあっても、あまりなじみがなく、かかりつけの医師や家族に勧められて通い始める場合が多いように感じます。何をするところかよくわからないという不安だけでなく、個人的な悩みや気持ちを他人に話すことに慣れていない世代でもあり、あまりポジティブなイメージはないかもしれません。

40代半ば~50代では、心身の不調から仕事に支障をきたしたり、あるいは、子どもの問題に直面した際に、関係者や医療機関から勧められてカウンセリングにたどり着くケースもしばしばあります。カウンセリングが必要であるということが、今まで、社会人として親として、精いっぱいやってきた自分が否定されているように感じられ、最初はなかなか受け入れがたいという場合も多いように感じます。

今の30代~40代前半はもう少し違うようです。日常的にSNSを積極的に利用してきている世代で、カウンセリングについても、自分で調べて気づいたり、新しいことを知る手がかりのひとつであるという前向きな期待を抱いているように感じます。この世代は、インターネットの急速な普及による社会の変化もリアルタイムに体験して育ってきているという背景があり、社会の動向に敏感だったり、ライフワークバランスを重視するといった傾向があるからかもしれません。

10~20代は、学校でスクールカウンセラーが配置されてきた世代です。生まれた時からインターネットがある環境で育ち、様々な情報に触れる機会も多く、カウンセリングや心理療法といった存在を身近に感じており、保護者や学校関係者の勧めをきっかけに通い始める場合でも、前向きな気持ちや、特別なことではないという印象をもっているように感じることもあります。ただ、経済的な事情や周囲の反応によって、自分から希望することが難しい場合も見受けられます。


このようにみると、確かに、「カウンセリングや心理療法を受ける」ということについて、世代間の感覚の違いがあるように感じる今日このごろであります。


皆さんにとって、カウンセリングを受けるということは、どのようなイメージでしょうか。