「イライラや怒りの感情について」
たいていの人は、日常生活を送る中で、イライラしたり、怒りが湧いてきた、ということを、何かしら経験しているのではないでしょうか。
ちょっとした些細なことから、抑えられなくて爆発するようなものまでありますが、イライラするのをやめたい、怒りをコントロールしたいと思っても、なかなか思うようにはいかないものですね。
イライラや怒りが外に向けられると、八つ当たりとか、パワハラと言われるような行為になることもありますし、自分に向かうと、自責の念や、自分を傷つけるような行為として現れる場合もあります。
このように考えると、イライラや怒りの対処法によっては、周囲との人間関係が悪化したり、自分を苦しめたりすることになり、さらに、イライラや怒りを増幅させることにもなりかねません。
また、イライラや怒りのようなネガティブな感情は、人間に備わっているごく自然な感情ですから、誰でも感じてよいのですが、自分で認めたくない場合や、気づきにくい場合もあります。
その人にとってイライラする事情があったとしても、そのくらいでイライラしてはいけない、そんなことで怒るのはよくないなど、知らず知らずのうちに感情を抑える習慣が身についていることもあります。
このようなイライラや怒りの感情の背後には、実は、“淋しい”とか、“不安だ” “悲しい” “失望した”といった気持ちが潜んでいることも多いのをご存知でしょうか。
イライラや怒りをコントロールしようとして、そういった背後にある感情に目が向けられないまま奥底にしまいこまれてしまうのは、自分の気持ちを知る機会を逃してしまうことにもなりかねません。
それは、ちょっともったいない気もします。
イライラや怒りを感じることは、誰にとっても決して居心地がいいものではありませんし、
少々、厄介なことでもあるのは間違いありません。
けれども、自分自身や身近な人とのかかわりについて新たな気づきを得ることができる、そんな感情でもあるとしたら、
少しだけ立ち止まって考えてみるのもいいのではないでしょうか。